メールの数は重要ではない。だが,メールに乗せられた想いは大切だ。そこには,1000億の歓笑と1000億の慟哭が渦巻く。手の平を伝わるそれが,地球よりも重いことを感じながら。
米国の調査会社IDC社の電子メールの利用実態と今後の予測に関する調査報告によると,2000年に全世界で送受信されているメールの数は1日平均100億通に達するが,2005年には350億通に増加する。豪雨のような電子メールへアクセス,転送,保存,走査を効率的に行なうには,今後の発展を理解する必要がある。
地球人口が50億とか60億というから,現時点で,すべての人が1日1通出して1通受けて,という感じだろうか。本格的に運用されてからわずかな時しかたっていないのに,地球という惑星を飲み込もうとしている世界が,私たちの手を伸ばしたそこにある。モデムのけたたましい音の鳴り響く世界,350億の想いと繋がりがひしめく場所は,意味深いものだ。
100億の想いが,目の前のワイヤーを駆け抜けていく。100Mbpsのスピードで駆け巡る想い,それが私が手に持ったワイヤーを伝わっていく。それはとても不思議な感覚。リアルでは,感情は,見えない。いや,もちろんワイヤーの中の想いを見ることはできないのだが,重さは感じられる。そして,生きていることの意味を知る。この重さこそが,世界なんだ,と。
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